イーベイ・セラー成功事例：太田 陽介さん

調べて試して、を繰り返すのが楽しい。eBayは“仕組み化”しやすいビジネス。
目指すはカードショップで全国にＦＣ展開するチェーン!!

 

自衛隊を退職後、自分でビジネスをやりたいと店舗販売、輸出、輸入と試す中で、一番手ごたえがあったのがeBayを通じた輸出だった。目標から逆算し、調べ、実践して実現に近づける楽しさがある。『eBay Japan Awards 2022』のカテゴリーグロースアワードにおいてコレクティブル・カードゲーム部門 個人枠を受賞。2023年9月には地元旭川でカードショップの出店も実現した。その奮闘ぶりをお聞きした。

輸出に手ごたえ。“繰り返し売れる商品”にフォーカス

出身は北海道帯広市で、駐屯地があって身近な存在だった自衛隊に入隊しました。結婚と共に旭川市に移り住んで6年になります。eBayを始めたきっかけは、自衛隊で所属していた部隊が再編の対象となり、続けるには道内、道外を含めて単身赴任になる事が確実だったので、子供が小さいこともあり、辞めて自分でビジネスをやろうと思ったからです。スキルや資格が無かったので、価値あるものを売る物販をやろうと、国内販売、輸出、輸入と色々やりました。ちょうど為替が円安になっていく時期で輸出が一番手ごたえがあり、eBayに力を入れました。eBayではトレーディングカード（トレカ）、ゲーム、フィギュアなどを販売しました。eBayを始めた頃、「ピカチュウ」のゲームボーイポケットプリンターが人気で「ポケモンは売れるなぁ」と実感したのを覚えています。そこからポケモンのトレカに注力するのですが詳しくないので、とにかく一つ一つを丹念に調べました。eBayではどんなカードが売れるのか、どう売られているのか、売れる理由などです。例えば同じキャラクターでも日本とアメリカでは名前が違います。いくら日本の名前を表示しても、売れないわけです。そこで日本語で入力すればアメリカのキャラクター名に変換できる辞書を作成し、今では800以上のキャラクターを登録しています。こうした地道な“仕組み化”もあって、はじめて３～4ヵ月ぐらいから売り上げが増えていきました。

外注や仕組み作りでストレスを軽減

eBayを続ける上で実践したのは外注やシステム化です。海外のバイヤー（購入者）からのメッセージは嬉しいものもありますが、きつく、厳しいものもあり、バリエーション豊かです。最初のうちはすべて自分で目を通していたのですが、精神的にすごくストレスでした。そこでeBayの翻訳機能を使うなど、人に依存しなくても作業を進められる流れを作り、外注に出しました。今では重大な案件以外、私はタッチしていません。以前は２～３行でそっけないメールでしたが、最近では生成系ＡＩのChatGPTを使って、負担を減らしながら10行ぐらいの丁寧な返信ができています。発送でもクーリエや郵便局と連携したり、関税の支払い拒否やトラブルについても早めに返金したりしています。低単価商品を扱っているので、細かいやり取りに時間を潰されて大変になるよりも「割り切って」返金して、その分、多くの商品を売ってバイヤーに喜んでもらった方がいいかな、と。さらに、オリジナルでスリーブやトレカ仕様のクーポンを作って同梱するなど、自分にしかできないことに力を入れています。オリジナルのスリーブは好評で、あるバイヤーからはそれ自体を売ってほしいと相談がくるほどでした。管理上、取引ごとに利益を一覧にしているので、「赤字」が並ぶこともありますが、今ではそれも見慣れました。月ごとの利益が目標達成すればいいことにして、細かい、短期的なことに一喜一憂しない。極力ストレスをなくして仕事をすれば、長くやっていけると思います。

eBayで販売を始めたばかりの方には同じeBayセラーのコミュニティーで生の声を聞くことをおススメします。私も最初の頃は何が正しいかもわからず「自分はこうやっているけど、皆さんはどうやってますか」とＳＮＳで発信したら、いろんな人が応援してくれて、教えてくれました。同じ旭川市に大先輩セラーのユウキシシドさんがいらしたことも大きいですね。シシドさんのYouTube動画を見てトレカに注力した面もありますし、お会いして貴重なお話を伺い、目標を持つことができました。

将来の夢はＦＣ展開

eBayでトレカを販売する人は、トレカ好きで知識を持った人が多いので、属人的になりやすいと思っています。知識があるに越したことはありませんが、仕組み化ができれば、普通の人もスケールアップさせることができるのがeBayの良さだと思います。私はeBayを始めてまだ売れない時期に、商品知識ではなく、売れるシステムばかりを考えて、色々な帳票や管理の仕方、送り方などを研究しました。そのため売り方ができていて軌道に乗ってからは順調に売上と利益を上げられました。その結果が、『eBay Japan Awards 2022』のカテゴリーグロースアワードの受賞だと思っています。

自衛隊時代の仕事が整備・管理で、部品一つ一つに番号を付けて、ばらしたり組み立てたりして点検していました。この時の経験とシステムを生かして、仕組みを作っています。今は新しいトレカを販売していますが、今後は10～20年前のトレカも販売したい。そうなるとリユース業の知識も必要になるので、どこかのフランチャイズチェーン（ＦＣ）に加入してノウハウを吸収したいと考えています。いつかは自分のトレカショップでＦＣ展開したい。その目標に向けた準備でもあり、その一歩として先月、旭川市内にトレカショップを出店しました。夢に向かって逆算し、これから必要になるマニュアルを構築しながら、夢を実現したいと思っています。